安藤勝己騎手引退 お疲れさまでした。

安藤勝己騎手の現役引退が発表されました。

何か一時代を作り上げた様なそんな彼ですが、いつも飄々としていた印象の方が強いのは、不思議な感じです。調教助手時代に、何度か自分が乗る馬に、アンカツさんが競馬で乗った事があります。私は関東所属でしたので、馴染みが薄い彼への印象ですが、とても鮮明な記憶があります。

 

クリスサルーと言う1000万条件の馬に競馬で騎乗してもらった時でした。この馬は、若馬の頃から接する事が多かった馬ですが、短いダート路線を走っていた馬です。

跨いだ感じが、ちょっと固めのゴツゴツタイプで、器用に立ち回る事が苦手なという印象です。競馬でも先々に行って、余力で踏ん張る競馬を長い間続けていました。

 

ある京都の最終1000万1200m条件戦。土曜日の最終レースで、平場でもあり関東の調教師はあまり行きたがらない(笑)レースです。

クリスサルーの前走は1000万に上がった初レースで大敗(16頭立て14着)1000万では難しいかなと厩舎の印象を持っている中での、とてもネガティブ要素の多いクリスサルーのレースで、アンカツさん騎乗でした。

 

ゲートが開き、レースがスタートしました。「あれ?いつもより行きっぷり(行き脚)が無いかな。。」と感じながら、アンカツさん騎乗のクリスサルーは中段。砂もビシビシ被り、「あらあら・・」と観ていたのですが、1200mレースですのですぐに直線を迎えます。

 

「行ってナンボの馬」との印象が強く、直線で「あークリスは、そこから押しても引いてもビクとも反応しないんだよなぁ。。」とバタバタを確信し、「やはり1000万」では、難しいかな。。」と感じた瞬間、「ん?あら?伸びてる?!」。

どんなジョッキーが乗っても、「いやーバタバタに成っちゃった」と上がって来るそんな馬だったのですが、アンカツさんは直線をグイグイ伸ばして来ていたのです。

結果は5着でした。勝ち時計も大した事なかったので、どう評価して良いのか分からなかったですが、アンカツさんがクリスサルーの脚を伸ばしていたのは、揺るぎない事実として鮮明に記憶に残っているのです。

上がって来るなり「いやぁ〜バテバテに成っちゃったw」と、砂だらけの満面の笑顔でこちらに向かって来てくれました。他のジョッキーと同じコメントで、私もかなりウケてしまいましたが、内容は別物です。

 

クリスサルーに限らず「そこから脚伸ばすかぁ〜〜??」と思った厩舎所属馬のレースは、まったく数えるほどしかありませんが(他では「オリビエ・ペリエJ」。あのレースももの凄かった!)、アンカツさんのその後G1を何勝も上げる姿に、(影で)「ウンウン、そうだろうな〜」と独り、とてつもなく納得して居た記憶があります。

 

 

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確かにG1を勝利するには、ジョッキー自身の持って生まれた出会いの「運」も必要かもしれません。
営業力と言うのも、大切なのかもです。また天才とか、俊才とか、私にはよく分かりませんが、アンカツさんは「結果を捥ぎ取って行く、行けるジョッキー」の一人だったと、今でも確信があります。

平場戦でも、全力で騎乗し、全身砂だらけになり息を上がらせて来る作業を、毎度じっくりじっくり行うのは、まさに日本の「職人」で、そんな人が多くの大レースの勲章を手にするのは、当たり前の事ですね。

彼の競馬への功績に、深く深く頭を下げたいと思います。アンカツさん、本当にお疲れさました。

 

JRAニュース  安藤 勝己騎手が引退
http://jra.jp/news/201301/013002.html

 

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