2013年 凱旋門賞後記 トレヴとT・ジャルネ騎手のレース。

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France Galop |

 

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WebTV du Qatar Prix de l’Arc de Triomphe | Qatar Prix de l'Arc de Triomphe
Sunday 6 October 2013

10月6日、フランスロンシャン競馬場にて、2013年の凱旋門賞が行われまして、つい先日SNSにて「日本人で良かったって思う日が、着々と近づいている」と言って居たのが夢の様な結果に終わりました。

憂い無く迎える日本馬2頭

凱旋門賞の前哨戦な位置づけのニエル賞、フォワ賞にそれぞれ勝った日本の2騎、現役日本ダービー馬「キズナ」と現役日本最強馬「オルフェーブル」は、毎日シャンティイでの順調な調整が伝えられ、いよいよ日本に凱歌が上がる日が来るのではないかと、とにかく高揚して凱旋門賞を放送するテレビに釘付けになりました。

 

ティエリ・ジャルネ騎手

結果は日本人としてとても残念であるのは言うまでもありませんが、凱旋門賞全体を観ていて、「ん?」って思ったのが、優勝馬「トレヴ」に乗る「ティエリ・ジャルネ」騎手。

風貌は、ちょっと疲れて来たオジさんて感じでしたが、この方1992年から1995年まで4年連続で仏リーディングを取り、凱旋門賞を2度も制覇している(しかもカーネギーで)ちょっとフランスで知られたジョッキーなんですね。

戦前、トレヴに乗る予定だった世界的な名手「ランフランコ・デットーリ」騎手が、落馬して足首を骨折。直前で凱旋門賞に騎乗出来なくなるハプニングがあったのですが、それまでトレヴのレース全ての手綱を握っていた「T・ジャルネ」騎手に戻る形で騎乗再依頼。

フランス競馬の一時代を担ったこの「T・ジャルネ」騎手と3歳牝馬3連勝中の「トレヴ」が、どうやら今年の凱旋門賞のドラマの主役だったのだろうなと結果を見て思いました。

 

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撮影:岡田修平

*岡田修平の写真が、JBISサイトのフランスレポートに速報で上がって居ます。もし良ければご参照下さい。

JBIS Search 2013 フランス 凱旋門賞 現地取材レポート

 

騎乗依頼

調教助手時代、騎手に騎乗依頼や逆に騎乗を断る際も、よく調教師に指示され、その件で当該の騎手に会う事がありました。前走決してその騎手の騎乗が悪かった訳でも無いのに(元来そちらのパターンの方がとても多いと思ってるけど)、色々な人々の色々な思惑の中、騎手が乗り変わる事も多いのですが、この役割はやはりちょっと心を抑えなければなりません。

 

「次走、あの馬はノリちゃん(横山典弘)に乗り変わるから」

「マジっすか??」

「おー(うん)」

「あー乗りたかったなぁ・・」

「しょうがないよな。また次々!」

「はい。宜しくお願いします。」

 

若い騎手ならこんな感じですが、実績もあるベテラン相手だとかなり辛かったかな。でも相手もプロだから余計な事は言わず、

 

「あの馬、次走ウチパク(内田博幸)に成りましたんで」

「マジか?」

「はい」

「分かりました。またお願いします。」

 

と言った感じ。こうしたやり取りが繰り返されるのですが、毎度の事ながら嫌な役割だなと思ってました。

馬はいつだって何も言葉を言いませんから、騎手でも調教師でも、何が悪かった、そして何が功を奏したとか、と言う結論は、(報道を含めた)その馬に関係している各々の人の感性に成って来てしまいます。それを繰り返しているうちに、「負けた時でも言い訳出来る」騎手に騎乗を依頼する事がとても多くなって行くのを感じました。

そして今回のトレヴ。つい先日ダービーを勝った「武豊」騎手を思い出しました。今回の凱旋門賞では「T・ジャルネ」騎手の優勝が、フランス人であればきっと誰もが心から喜んだ事なんだろうって思いました。

 

3歳牝馬トレヴ

繰り返しになりますが、今年は3連勝中の3歳牝馬「トレヴ」と、このいぶし銀な「ティエリ・ジャルネ」騎手にドラマが在ったんだなって、思った今年の凱旋門賞でした。

日本馬の2頭ですが、ちょっと動きが重かったですね。ですが、数千km離れた雰囲気の異なる異国で走った結果は、「お見事!」以外の何物でも無い気がしました。

斤量の問題はいつも結果で判断されるのでしょうが、3歳牝馬と4歳以上の古馬では、精神力や体力は到底古馬牡馬に敵いません(歴然としています)。軽い斤量だとしても3歳牝馬でこの歴史的な大レースを勝つのは、並大抵の事ではないと思います。

ちなみに斤量の考え方は(個人的な思考ですが)、

競走馬の平均体重が(近年は)460kgくらいとして、日本人の成人だと30歳代男子で70kgくらい。20歳代女子で50kgくらい。470kg ÷ 70kg = 約6.5。470kg ÷ 50kg = 約9.4。(9.4 + 6.5)÷ 2 =約8。人間は競走馬の8分の1くらいの体重だとして、

 凱旋門賞の負担重量が、トレヴの54.5kgとオルフェーブルの59.5kg。その差は5kg。5 ÷ 8 = 約0.6。

人間で言うと、要は、「約600g差(もうちょっと少ない気もします)で、一流アスリートの20歳女子と25歳男子が400m走を走った」あたりが妥当な考え方でしょうか。(かなり端折りましたが。。笑)

うーーん、微妙ですね(笑)。能力あってもやっぱりちょっと男子不利かな。

ちなみに馬体重550kgの馬が、400kgの馬より斤量負けしないってのは、ちょっと言い過ぎだと思ってます。小さい車に大きなエンジン(心臓)積めば、絶対的に有利ですし、逆に大きな車体に小さいエンジンだと、斤量で木っ端みじんです。

と言う議論に成って行くのが少し怖いのですが、勝ち負けはそう単純じゃないのが競馬だと思ってます。

 

世界との差

陣営のコメントに、「トレヴとの差が、世界との差」と言ってるのを聞いて思いましたが、逆に言ってみれば、「世界との差」がそこまで縮まっているって事ですよね。でもこうしたストイックな姿勢ってのは、日本人の凄さを感じれます。あーもうこの「世界との差」議論も止めても良い時代に来てますね。ただこのトレヴ。ロンシャンであれだけ軽快な走法で走破する所を観ると、相当強いですね。

もうアジアのどこだかから来たとか言われない立派なレースでした。近年は日本馬は海外に出ても素晴らしい活躍をしてくれるので大レースの競馬を観ていてとても楽しいです。オルフェーブル、キズナ、それと両陣営の方々、本当にお疲れさまでした。また日本での活躍(爆走)を期待してます!

【2013年凱旋門賞結果】

JRAニュース 凱旋門賞(G1)の結果~オルフェーヴル号、キズナ号出走~

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